道具を片付けないほど続く|3年「出しっぱなし」でわかった摩擦ゼロの習慣設計

道具を片付けないほど続く 3年出しっぱなしでわかった摩擦ゼロの習慣設計

習慣が続かないのは意志が弱いからだ。私はずっとそう思っていました。でも3年トレーニングを続けてきて、たどり着いた答えは少し違います。続かないのは、じつは意志ではなく環境のせいかもしれない。始めるまでの「障害物」が多すぎると、人はかんたんに足を止めてしまう。私の場合は、道具を片付けるのをやめたら続くようになりました。

これは、習慣が続かなくて悩んでいた、かつての私自身の話です。きれいに片付けることが、じつは自分の足を引っぱっていたかもしれないなんて、当時は思ってもみませんでした。

目次

結論:道具を「片付けない」ほうが、私は続いた

先に結論からお伝えします。私の場合、トレーニングの道具をあえて片付けないようにしたら、3年間途切れずに続けられました。やる気がある日もない日も関係なく、淡々と続いています。

大げさな根性論ではありません。やったことは、ただ「道具を出しっぱなしにしておく」だけ。それだけで、始めるまでのハードルがすっと下がりました。むずかしく考えず、環境のほうを先に整えてしまう。要は始めるまでの手間を減らすことで、私にとってその第一歩が、片付けをやめることでした。

あくまで体験談として読んでくださいね。続け方には個人差があります。運動を取り入れるときは、ご自身の体調に合わせて無理のない範囲で。持病のある方は、始める前に医師にご相談ください。

片付ける習慣が、逆に運動を続かなくしていた

自宅トレが続かない原因は、ジムと違って「やる空気」がないことだとよく言われます。でも、私の場合の本当の原因は、もっと手前にあったと感じています。それは、道具をしまっておくという、ごくふつうのことでした。

道具をしまう方式だと、やるたびに「出す」手間が発生します。しまった場所からダンベルを運んで、ベンチを広げて、やる準備を整える。文字にするとたいした手間ではないように見えますが、やる気が乗らない日には、この「準備」がものすごく重く感じるものだと思います。私自身、気が向かない日にこの一手間があると、つい後回しにしてしまっていました。

「今日はちょっとな…」という日に、準備という最初の壁があると、そこでつい引き返してしまう人は少なくないと思います。出すのが面倒で後回しにして、気づけば間が空いてしまう。そういう「準備のひと手間で足が止まる」流れは、たぶん多くの人に心当たりがあるはずです。

つまり続かないのは、意志が弱いからではなく、始めるまでに障害物を置いているからかもしれない。きれいに片付けるという「良いこと」が、皮肉にも続けることの邪魔をしてしまう。私はそう考えるようになりました。

しまう派は準備で足が止まる、出しっぱは障害物ゼロで続く

専用部屋に出しっぱなし|やる気がない日でも、行けばそのまま始められる

といっても、やることはとてもシンプルです。要は道具を目につくところに置きっぱなしにするだけ。専用の部屋がなくても、部屋の隅でも構いません。私の場合はたまたま専用スペースを使えているという形ですが、本質は「しまわない」ことのほうにあります。

私は今、自宅にトレーニング用の専用スペースを持っていて、そこに道具をぜんぶ出しっぱなしにしています。出しているのは可変式ダンベル・ベンチ・アブローラーの3つ。どれも、しまわずにそのまま置いてあります。

可変式ダンベルというのは、ダイヤルなどで重さを変えられるダンベルのこと。重さ違いをいくつも置かなくていいので、これ一つで足ります。重さを変えるのも、別のダンベルを取りに行かずその場で済むので、ここでもひと手間が減っています。これらを出しっぱなしにしておくと、何が起きるか。

やる気がない日でも、私の場合は、その部屋に行けば準備なしでトレーニングに入れるんです。部屋に入れば、目の前にダンベルとベンチがある。準備するものは何もない。だから、そのまま始まる。考える隙も、引き返す隙もありません。

気分が乗らない日は、誰にでもあります。私にもあります。でも、そんな日でも「とりあえず部屋に行くだけ」ならできる。そして部屋に入った時点で、もう道具が目の前にある。私は手を伸ばせば自然と体が動き出すことが多いです。準備という障害物がゼロだから、メンタルの調子に振り回されずにすむ。これが、3年続いた一番の理由だと思っています。

道具の話だけでなく、空調や記録まで含めた環境全体の整え方は、こちらの記事で詳しく書いています。あわせてどうぞ。やる気の前に環境を整える|3年で見えた『動ける部屋』の作り方

習慣が続く理由は「最初の半歩の摩擦をゼロにする」こと

私がたどり着いた考え方を一言でいうと、最初の半歩の「摩擦」をゼロにすること。摩擦というのは、何かを始めるときに引っかかる小さな抵抗のことです。道具を出す、準備をする、しまってある場所まで取りに行く。こうした一つひとつが、地味に行動の足を止める摩擦になります。

なぜ「半歩」かというと、人が止まりやすいのは、本番の動作よりもその手前のほんの少しの準備だと感じるからです。トレーニング自体がいやというより、「始めるまで」の小さな段取りで腰が重くなる。だから、一歩でも一手間でもなく、その手前の「半歩」を軽くしておくことが、続けるうえで大きいのだと思っています。

しまう派が後回しにしてしまうのは、だいたいこんな場面ではないでしょうか。道具をしまった場所を思い浮かべて「出すのが面倒だな」と感じる。出してもまた片付けないといけないと考えてしまう。少し疲れている日に、その往復を想像しただけで気が削がれる。どれも、運動そのものではなくその前後の手間でつまずいています。出しっぱなしは、この手間をまるごと無くしてしまう、という発想です。

逆に言えば、この摩擦を限りなくゼロに近づけておけば、やる気の量に関係なく動き出せる。やる気が10ある日も、1しかない日も、目の前に道具があれば「とりあえずやる」までの距離はほぼ同じ。だから途切れにくいんです。可変式ダンベルのように、置き場所も手間も最小で済む道具なら、なおさら出しっぱなしと相性がいいと感じています。

面白いもので、いざ始めてしまえば、後から気分のほうがついてくることが多いんです。最初は気が乗らなくても、軽く一種目やってみると、なんだかんだで最後までやってしまう。この「動き出せば気分は後から」という感覚については、やる気が出ないは当たり前|動き出せば気分は後からついてくる「作業興奮」でくわしく書いています。

この摩擦を減らすという考え方は、筋トレに限った話ではないと感じています。何かが続かないとき、自分を責める前に「始めるまでに、余計な手間を置いていないか?」と見直してみる。応用できる場面は、けっこう多いはずです。

正直な半信半疑コラム:出しっぱなしは散らかる? ミニマリスト的にどう?

ここまで読んで、「出しっぱなしって、散らかって見えるんじゃない?」と感じた方もいると思います。すっきり片付いた部屋が好きな方からすれば、もっともな疑問です。

私の場合は、トレーニング用のスペースを生活空間と分けているので、いわゆる「生活が散らかる」問題は今のところ起きていません。出しっぱなしにしているのはあくまでその場所の中だけ。生活空間に道具が出ているわけではないので、暮らし全体の見た目が乱れることはないんです。

とはいえ、これは私の環境だからできていることでもあります。専用の場所を取れない方も多いはずですし、むしろ片付いている方が落ち着く、という方が自然だと思います。片付いた空間でこそ気持ちが整う、という感覚はとても自然なものです。私はたまたま出しっぱなしが合っただけで、これが正解というわけではありません。片付け派の方やミニマリストの方を、私はまったく否定するつもりはありません

大事なのは「出しっぱなしにすること」そのものではなく、その奥にある始めるまでの摩擦を減らすという考え方のほうです。片付けたい人は、片付いた状態のまま摩擦を減らす工夫をすればいい。たとえば、よく使う道具だけ取り出しやすい場所にまとめておく、といった形でも構いません。自分の性格や暮らしに合うやり方を選ぶのが一番だと思います。

まとめ:完璧な部屋より、すぐ始められる部屋

最後に、私がこの3年で感じていることをまとめます。筋トレを続けるための環境づくりに必要だったのは、強い意志でも、完璧に整った部屋でもありませんでした。必要だったのは、やる気がない日でも、すぐに始められる状態をつくっておくこと。それだけです。

ここまでをまとめると、出しっぱなしが私にとって続いた理由は、この3つに整理できます。

  • 続かないのは意志のせいではなく、始めるまでの障害物のせいかもしれない
  • 道具を出しっぱなしにすると、準備という最初の壁がなくなる
  • 摩擦をゼロにしておけば、メンタルの調子に左右されず動き出せる
  • 生活空間と分けておけば、暮らしを散らかさずにできる
  • 片付け派を否定せず、自分に合う「摩擦の減らし方」を選べばいい
出しっぱが続く理由 やる気がなくても始まる・メンタルに左右されない・途切れない

もしあなたが今、何かが続かなくて自分を責めているなら、ほんの少しだけ視点を変えてみてください。完璧じゃなくていいんです。まずは1つだけ、「始めるまでの手間」をひとつ減らす。それだけで、明日の自分が少し動きやすくなるかもしれません。私の場合は、それが「道具を片付けない」ことでした。あなたの場合は、何になるでしょうか。

自宅でのトレーニングをこれから続けたい方は、自宅で筋トレを続けるコツ|モチベを保つ7つの習慣もあわせて読んでみてくださいね。無理せず、あなたのペースで。

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